チョークアート、技術も大事だけど「魅せたい世界観」ちゃんと表現できてる?

白ボードに描いたチョークアートのピオニー

「私の場合、どこをどう直せば良くなりますか?」

チョークアートのプロ、講師の方からそんな質問を受けることがあるのですが、
正直、この手の質問には苦労してます。

なぜかというと
「あなたが目指しているものが私には分からないので応えようがない」からです。

その1枚の見栄えを良くする「答え」はもちろんあります。
もったいつける必要もないので答えてしまいますが
大抵の場合の「答え」は陰影です。

正しい陰影の入れ方を知ってほんの少し修正するだけで
目に見えて作品はぐっと良くなります。

が、それはあくまでも一般的な答えにすぎません。
それよりももっと大事なポイントがあることに、あなたは気づけていますか?

とても大事なポイント
それは「魅せたい世界観」が定まっているか。です。

作品の出来栄えをぐっと良くする陰影の修正をする前に
それを自分で知っていればその陰影の入れ方さえも変わってくる重要なポイントです。

今日はその重要ポイント「世界観」ついてお話させてもらいますね。

目次

表面的なテクニックやノウハウに流されない

チョークアートのプロ、講師としてもう何年も前から活動している、
という方が「自分の画力に自信が持てないから」という理由で
遠方から単発でのスキルアップのレッスンに来てくれる方がいらっしゃいます。

先日も、そういった方からの短期集中レッスンのお問合せがきたのですが、
そういった方をすぐ受け入れる、ということは避けています。

レッスンに来てもらう前にまずは作品画像を送ってもらい、zoomでヒアリングをさせてもらってます。

何枚か送ってもらった画像1枚1枚につき、気に入っている点、気に入らない点を聞きながら
どういった世界観を目指しているのかを探りアドバイスさせてもらうのですが、

魅せたい世界観が定まっていない。
もしくは参考にした画像に引っ張られてずれてしまっている。

という方がとても多いです。

本人も自分が求めてるものがよく分かってない場合が多いので
こちらのアドバイスが的からズレて感じてしまう、ということが起こってきます。

そうなってしまうと学ぶうえで大切な信頼関係も構築できなくなってしまうので
まずは目で見て分かりやすく、かつ納得されやすい
誰でにでも当てはまる「陰影」をまず直してもらいます。

そうすると作品は「整い」「見栄えが良く」なります。
この時点で喜んでもらえますが、
実は「見栄えが良くなった」で満足してはダメなんです。

これでは熱が出たから解熱剤で一時的に熱を下げただけで
根本的な原因菌に対応した抗生剤ではないので、また熱は再発してしまいます。

ここで満足しては成長にはなりません。
技術的な面をフォローし、目に見える「粗」がなくなったら
次に、本当に自分が魅せたいものはどんなものなのか、
を考えてもらいます。

そうすると、見栄えは良くなったとしても魅せたかった世界観からはずれたままだということに気づくことができます。

魅せ方に合わせてテクニックは変わる

今、目に見えてる粗らを何とかしたい!
という衝動に駆られてると見えてこないけど、
その表面的な問題をクリアすることでもっと根本的な問題が見えてくる。
ということです。

あなたが想う世界観を表現したいのであれば、
モチーフの配置も余白のとり方も、デザイン全体を変えなければならない。
それはほんの5ミリモチーフをずらすだけのことかも知れません。
だけど、その5ミリが作品の魅力を大きく左右する。
ということは自立した作家さんであれば誰もが承知していることです。

その5ミリの修正に気づけるかどうかは
色を入れる前段階の「鉛筆画」の時点で気づくべきことになるはずです。

「どこを直せば上手くなりますか?」

の前に、「魅せたい世界観」が自分で分かっているかどうか、が
とても重要だということに気づいてもらえたでしょうか?

魅せたい世界観が分かればそれに合わせてモチーフの配置も余白もボリュームも変わります。
それに合わせて色の使い方も陰影の濃さも変わり、エッジの入れ方も変わります。

直すべき部分はその魅せたい世界観に合わせて
ひとりひとり変わるはずです。

「見方」を変えれば学びは深まる

小手先のテクニックは教えてもらえば誰でも手に入れることはできます。
でも、そこ止まり。
先生のコピーで終わってしまいます。

単に「塗り方」を教えてもらうのではなく
その裏側、「何のために」の部分を大切にしていってほしいと思っています。

そのためにはお手本を「見すぎない」よう気を付けてください。
お手本そのままで満足してしまわないように。

お手本で見なきゃいけないのは、
その作家さんが「何を表現したくてこの描き方にしたのか」
「何を魅せたくてこのタッチなのか」
憧れの先生の作品や、お手本をそういった裏側を覗くようなつもりで見ていきましょう。

教えてもらう。より自分で「探りあてる」ほうが成長します。
見方を変えれば得られるものは確実に変わってきますよ(*^^*

今すぐできる「魅せる世界観」の勉強法

まずは好きな作家さんの好きな作品を1枚ピックアップしてください。

その作品の全体を眺めながら
作家さんが何を表現したくてこの作品を描いたのか
見ている者にどういった感情を抱いてほしいと思ったのか

そういったことを考えながら眺めるだけで世界観の勉強になっていきます。
表面的なテクニックを真似るより、そういった裏側を知ることのほうが
今後のあなたの作品に大きな影響を与えてくれることになりますよ。

さらに効果的にするなら感じたものを言葉にして書き出してみてくださいね。
言葉とイメージが一致することも作家活動をしていくうえで重要になってきますよ。


「描けない」を「描ける」に。
皆さんの制作のヒントになれば幸いです。

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この記事を書いた人

「自己犠牲」と「親切」を履き間違えて売上を上げれないでいる
お人好し先生に向けて
自分が幸せになることで、幸せなひとが増えていく。

やり甲斐と収入が得られ、人生を豊かにする教室づくりをお手伝い
お人好し先生の小さな教室を立て直す専門家として活動しています。

・NLPマスタープラクティショナー
・小さな教室の教科書
・チョークアートカレッジ代表

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